CA

なぜCAを辞めたのか

私のプロフィールにちらっと書いたんですが、実は私、今でこそグラフィックデザイナーですが、元々はLCCのCAをしていました。

大学を卒業後、新卒で航空会社に入社をし、2年弱ほどCAとしてフライトをしていました。

元CAというと
「なんで辞めたの?!」
「もったいない!」
と、ほぼ100%言われます。

では、なぜ私がCAを辞めたのか。
について書かせていただこうと思います。

CAになりたい学生さん、CAに転職を考えている別業界の方にぜひ読んでいただきたいです。

1、労働の量と給料が見合わない

CAは高給取り、なんて時代はとっくに過ぎ去りました。
今やCAは普通のOLとなんら変わりないお給料をもらっています。

それでいろんな場所を1日に何回も飛び回り、体はくたくた、気圧で耳や肺はぼろぼろ。
休日は寝るか病院に行くか。
華やかなCAライフなんて夢のまた夢でした。(特に日系の航空会社は。)

朝に成田空港を出発し、北海道へ、その後すぐに成田にひきかえし、また北海道へ。その後またすぐに成田に戻り、一度外へ出たのち、国際線の飛行機に乗り込み台湾へ。

体を壊すに決まっていますよね。
CAの仕事はブルーカラーだと思い知りました。
そんなわけで、労働の量とお給料の採算が合わないと感じました。

2、潰しが利かない

CAは接客業です。きついことを書きますが、接客業は誰でもできます。
学生のアルバイトでも接客はできるし、他の専門職などと比べたら、
「これといったスキルが要らない」んですよね。

そんな業界で長く働いてしまうとあれよあれよという間に歳をとり、気づいた頃には別の業界に転職なんてできなくなってしまいます。

そして、1で書いたようにCAの仕事はかなりの激務。ずっと続けられる保証はありません。
それならまだ職歴が浅いうちに早く別業界に転職した方が良いのではないか。そう考えました。

3、仕事が単純

「ああ、、今日も毎日同じことの繰り返しだったわ、、、」

現役時代は毎日そう思っていました。

乗り込む→お客さん迎える→サービスをする→お客さん降ろす

単純に言うと、お客さんを乗せて目的地まで運ぶのが仕事ですから、毎日それの繰り返しになるわけです。

大学の友達が「今のプロジェクトが~」とか「この仕事が終わったらこのスキルが身につくから次はこの仕事が…」とか言ってるのが羨ましくて仕方ありませんでした。

ああ、こうやった私は世間から隔離されていくんだなあ…(遠い目)
そう感じていました。

毎日フライトをこなすことにより、機内での接客スキルはつくかもしれない。けど、この先それ以上の何かがあるの?

そう考えると絶望が襲ってきました。(特に深夜便の機内は暗い気持ちになり絶望感が増す)

4、人間関係が大変

CA=人間関係が大変というイメージは皆さんも持ってらっしゃるのではないでしょうか。
そう、人間関係が大変なんです。
いろんな意味で。

①噂がすぐに広まる。

例えば、先週彼氏ができた とその日のフライトで誰かに言うとします。
すると、次のフライトで、初めてご一緒する方に、「彼氏いるんだよね~聞いたよ~」と言われます。

あれ?初対面でしたよね…???みたいな。

何かをぽろっと喋るとそれが乗務員の間で光の速さで広まり、しかもたまに尾ひれがついてえらいことになります。
本当に、光の速さです。

でも、これはしょうがないというか…
なぜかと言うと、機内ってほんとにすることがないんですよ。

サービスが終わったらもう後は定期的にキャビンを徘徊してお客さんの様子を交代で見るくらいで、本当に何もすることがないんです。(何をするわけでもないこの時間を無駄にしている感が私には結構辛かった。)

そうすると、話をするしかないですよね。
噂話にも花が咲きますよね。
そんな感じで噂が噂を読んでまた噂ができあがり、えらいことになっていました。人の噂とかあんまり興味ないからきつかった…

②逃げ場がない。

オフィスって、ちょっと外でコーヒー買ってこようとか、ちょっと一服タバコ吸おうとか(私は吸わないですよ)そういう時間があるじゃないですか。機内って、それができないんですよね。

あの狭い鉄の塊にみんなで入って、目的地に着くまで逃れられないんです。

トイレに行く時ですら
「ラバ(ラバトリー。CAの間ではラバと呼ばれる)行ってきます」
と報告しなければいけませんし、
安全運行とお客様への快適なサービスの提供のため、
「自分の一挙一動を皆に報告する義務」がありました。

それがもう辛いのなんのって泣

乗り込む時はいつも、
「ああ、今から7時間、もう逃げられないんだな」
とずっしりとした覚悟とともに乗り込んでいました。

昔からあまり群れないタイプの人間である私にとって、逃げ場がないのは、気分的に追い詰められているような感覚に陥りとても辛かったです。

③お客様よりも先輩
仕事をしていつも感じていたのは、乗務員は皆、お客さんよりも先輩に気を使っているということです。

まず、その月のシフトがアサインされると、皆どの先輩とフライトなのかを1ヶ月分全てチェックします。そして怖い先輩がいたらもう絶望。その便では、サービス先輩の顔色を常に伺い、先輩とどれだけうまくやれるか、それが重要です。先ほど書いたように、機内には逃げ場がないわけですから、少しでも先輩と気まずくなってしまったらもう一貫の終わりなのです。

日帰りならまだしも、2泊3日の海外ステイなんかだとなおさらです。
そんなわけでみんな機内での苦痛から逃れるために先輩の機嫌をとりつつ仕事をするわけです。
先輩別の対策マニュアルなんかも乗務員間で回ってましたね。

この先輩はここがめんどくさいからこうやって対処しろみたいな。

私はお客様にサービスを提供する仕事をしているはずなのに、何やってるねん、あほくさ。

と思ってしまいました。

まとめ

そんな感じでいろんなことに気づいてしまい、CAを退職したわけです。

まあ、私はLCCだったので他のフルサービスの会社と少し違うかもしれませんが、基本的にはどこの会社もこんな感じだと思います。LCCだろうがフルサービスだろうが業務的にはほぼ一緒ですので。

ここまで書いたら、じゃあCAになったことを後悔してるの?と言われるかもしれません。

答えはNOです。

私は、CAになって本当によかったです。

コックピットから見た流れ星に言葉を失うほど感動したり、
初めて飛行機に乗ったと言うご老人が涙を流して喜んでくださったり、
小さな女の子が私の絵を描いてくれて、実は大きくなったらCAさんになりたいの。とこっそり教えてくれたり。
他にも、かけがえのない同期や(今や皆転職して半分以上会社にいません)
素晴らしい先輩後輩との出会いもありました。

私はこの2年間を一生忘れません。
CAとして働いたことは、間違いなく私の人生の糧となりました。

私はCAになって本当に良かったし、
CAを辞めて本当に良かった。

CAになりたいと考えておられる方、しがない一個人の意見ですが、参考にしてみてください。

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みりん
デザイナー兼美容ライター&ブロガー。 働きながら心理学生してます。 知的な女性になること、心理士(師)になることが目標です。 美容×心理学を発信します。